「Webサイトの継続的改善」のための手段として、「アクセスログ解析」をもっと有効に活用しましょう!このコーナーでは、「アクセスログ解析」を行うための手引き、分析方法や結果の活用方法などを、わかりやすく説明していきます。
2005年10月26日
「ページごとのページビュー数」からサイト全体のアクセス状況を把握する(前編)
今回、次回と2回に分けて、サイト全体のアクセス状況を把握するための「ページごとのページビュー数」の利用について考えてゆきます。
「ページごとのページビュー」は、アクセス解析ツールを用いて得られる最も基本的なデータで、馴染み深い方も多いでしょう。ツールでは、以下のように上位順でデータが表示されてゆきます。
※以下の表にあるページタイトルはミツエーリンクスのサイトを想定しています(数値は実際と異なります)。
順位 | ページ内容 | アクセス数 |
---|---|---|
1位 | トップページ | 20000 |
2位 | メソッド・マーケティング用語集トップページ | 8000 |
3位 | メソッド・トップページ | 6000 |
4位 | メソッド・マーケティング「経営革新ツール」用語集トップページ | 5400 |
5位 | 会社情報・トップページ | 4200 |
7位 | メソッド・「マネジメントシステム」用語集トップページ | 3700 |
8位 | サービス・トップページ | 3400 |
9位 | コラム・トップページ | 3000 |
10位 | 実績紹介・最新ページ | 2000 |
このデータをすでに作成しているWeb管理者も多いと思います。ただ、このデータだけでは、何か、わかったようなわからないような感じがつきまといます。少なくともこれだけでは「サイト全体のアクセス状況」を把握しているという実感は得られません。うすうすそのことに勘付いているけれども、そのままにしている方も多いのではないでしょうか?
なぜこのデータだけでは「わからない」のでしょうか?
その理由は、各ページをサイトの構造から分断してデータを表示しても、全体としてのアクセス状況は把握できないからだと考えられます。
各ページは単体で存在するのではなく、サイトの階層構造の中で存在しています(さらに、全世界のWWWと結び付いています)。それなのに、その階層構造を分断してページ単体だけのデータを表示してしまうと、「ある階層のページは見られているのに、その次の階層のページになると全然アクセスがない」など、構造の中で関連するページ同士のPV数の比較ができないのです。「サイト全体のアクセス状況」を把握するためには、アクセス数という絶対値を見るだけでなく、各ページ同士を縦横無尽に比較できなければなりません。
そして、こうした比較をするためには、サイトの構造で情報を整理して表現することで初めて可能です。逆にそこまで整理して表現すると、「サイト全体のアクセス状況」が驚くほど明確に把握できるのです。
ここで興味深いのが、「サイトの構造で情報を整理する」ために利用する元のデータは「各ページごとのPV数」で、上記で示した表のデータと同じということです。やることは、ただ「データの見せ方を変える」だけなのです。たったそれだけのことで、どれ程データの見え方が変わるのか、次回、後編として述べてゆきます。