「Webサイトの継続的改善」のための手段として、「アクセスログ解析」をもっと有効に活用しましょう!このコーナーでは、「アクセスログ解析」を行うための手引き、分析方法や結果の活用方法などを、わかりやすく説明していきます。
2005年11月02日
「ページごとのページビュー数」からサイト全体のアクセス状況を把握する(後編)
前回のエントリーで、「サイト全体のアクセス状況」を把握するためには、単にページごとのページビュー数を上位から一覧で表示するのではなく、サイトの構造で情報を整理して表現することで初めて可能になると述べました。
では実際に「サイトの構造で情報を整理しながら表現」するとどのように状況が変化するのか、架空のサイトを元にした例で見てみましょう。
第1階層 | 第2階層 | 第3階層 | 第4階層 |
---|---|---|---|
トップページ 20000PV | 製品情報 5000PV | 製品A概要 2000PV | 特長 1000PV |
価格 800PV | |||
よくある質問 300PV | |||
製品B概要 4000PV | 特長 3000PV | ||
価格 2200PV | |||
よくある質問 500PV | |||
技術情報 2500PV | 技術X 700PV | 技術Xの概要 600PV | |
研究事例 500PV | |||
詳しい理解のための用語集 2000PV | |||
技術Y 500PV | 技術Yの効果 300PV | ||
応用事例 200PV | |||
ニュース・イベント 8000PV |
新製品発表のご案内 5000PV | ||
イベント開催のご案内 7000PV | |||
会社案内 4200PV | 理解へのキーワード 1800PV | ||
会社概要 1500PV | |||
沿革 1100PV |
このように、階層構造でページを整理してアクセス数を示した表のことを、我々はアクセスマップと呼んでいます。トップページから、物理的なディレクトリ構造と、見た目の表示からページをひとつひとつ、漏れなく整理して作成してゆきます。情報設計がうまくいっているサイトであれば整理は比較的楽でしょう。うまくいっていなければ整理は難しいですが、妥当性のある範囲で無理やり収めてゆきます。
このアクセスマップを見れば、下記のような特徴(問題点)はすぐに見つけることができます。
- 第2階層のカテゴリの中では、ニュース・イベントのカテゴリが多く読まれている。
- 製品情報では、製品AよりもBの方が多く読まれている。
- どちらの製品情報も、「価格」ページ以下のページビュー数が極端に下がる。
- 技術情報の下層ページに多くのページビュー数を集める用語集ページが存在する。
こうした特徴は、ページビューの上位一覧を眺めているだけでは難しいでしょう。このマップで、こうした特徴を簡単に見つけることができるのは、マップ自体が、以下のような比較をするように、見る人を仕向けているからだと思っています。
- 各階層ごとのページビュー(PV)の比較
- 上位階層と下位階層のPVの比較
- 階層内の各ページのPVの比較
比較した見方をするので、特徴を見つけやすくなります。しかもそれが階層構造に結びついた見方なので、「サイト全体のアクセス状況」という大きな観点で見ることができます。そのため、アクセス解析をしたいけれども何から始めたら良いかわからない、という人は、このアクセスマップから始めてみましょう。必ずサイトに関する問題点を見付けることができるでしょう。また問題点の発見にとどまらず、より深い分析に入るきっかけにもなるでしょう。
今後のエントリーでも、機会を見て、サイトマップの部分を抜き出して、そこで起きている現象を、詰将棋の解説のように説明したいと思います。