「Webサイトの継続的改善」のための手段として、「アクセスログ解析」をもっと有効に活用しましょう!このコーナーでは、「アクセスログ解析」を行うための手引き、分析方法や結果の活用方法などを、わかりやすく説明していきます。
2007年01月10日
永続Cookieによる訪問者の識別
Webビーコン型のアクセス解析ではもちろん、アクセスログ取得型のアクセス解析でも、永続Cookieによるアクセス解析が基本になってきました。Cookieを利用しないアクセス解析では、訪問及び訪問者を、接続元のIPアドレスとユーザーエージェント(UA)の組み合わせにより識別していましたが、この方法は下記2つの問題を抱えていました。
- 企業などで単一のIPアドレスからインターネットに接続している場合、そのIPアドレスを利用する全クライアントからのアクセスが、ひとつの訪問と識別される
- プロバイダからのインターネット接続の場合、同じユーザーにも関わらず、接続都度異なるIPアドレスからの訪問となるため、同一訪問者だと特定できない
こうした問題は、永続Cookieを用いると、どのPC環境からの訪問なのかが正しく記録されるため、識別がかなり正確になります。しかし、永続Cookieの利用も完璧ではありません。特に下記の点は、永続Cookieでアクセス解析を行う際の正確性の限界と言えるものです。
- Cookieを完全に利用しない場合、またはブラウザの終了都度、Cookieを削除する設定にしている場合、正しい識別ができない
- 同じPC環境を、複数人で共有して利用している場合に、その利用している人を特定することができない
- 職場、家庭など複数のPC環境をもつ、ひとりの人からの訪問を特定できない
とは言え、これらの限界によるデータの正確さへの影響は、IPアドレスとUAによる訪問の識別に比べれば、比較にならないほど少ないです。よって、これからアクセス解析を行う、またはアクセス解析の環境をリニューアルをする場合は、はじめから永続Cookieを用いたアクセス解析を行うことが望まれます。